「だいぶ前に買った今までのグルマン系フローラルが合わなくなってきた」
「汗をかきやすいから香水と混ざったりしないか不安」
梅雨が明け、これから真夏に向けて気温が高くなっていく、汗ばむこの季節も実は香水が活躍します。 ただし、香水は季節によって香り方が変わってしまうことと、 夏はどうしても汗をかきやすいので、香水の付け方に工夫が必要となります。 本記事では夏に合った香りの特徴と付け方の工夫、おすすめの香水8選をご紹介いたします。
夏に合った香りと合わない香りとは?
一般に香水は気温が高いほど空間に拡散しやすく、湿度が高いほど香りが残りやすいとされています。 そのため、高温多湿な夏は甘いお菓子を連想させるグルマン調の香りや、その他、強く主張しすぎる香り、 オリエンタルで重たい香りは普段よりきつくなってしまいます。 逆に爽やかな印象があるシトラス系や清涼感あるハーバル系にグリーン系、海を思わせるマリン系に、 お花の中でも優しく清潔感を感じられるホワイトフローラルといった、 軽さがあって、夏の暑い時に涼し気な印象を与えるものが無難です。
夏に香水を綺麗に付けるには?
夏は汗をかきやすい季節ですが、汗や体臭と混ざると折角の良い香りが邪魔されてしまいます。 そのため、デオドラント対策をしたうえで、汗をかきにくい乾燥した部位に付けると良いです。 また、先ほど高温多湿だと香りが拡散しやすく、残りやすいと言いました。 そのため、鼻から遠い部位で、いつもより軽めに付けるようにすると綺麗に香ります。 具体的には手首や足首で、避けた方が良いのはお腹、太もも、膝裏、わきの下です。 (わきの下に関してはどの季節であっても、体臭と混ざりやすい部位なので非推奨です)
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夏にピッタリな香水8選
いよいよこれからの真夏にピッタリな香水をそれぞれ、オフィスでも使いやすいオン向けと一人で落ち着く時やデートのようなオフ向けに分けて4本ずつご紹介いたします。
オフィスにも使いやすい香水前半4選
1.メゾン フランシス クルジャン – アクア セレスティア
Top:ライム、ミント、ブラックカラント、ネロリ
Middle:ミモザ、グリーン、ローズ
Last:ムスク
オフィスで扱いやすい香水として挙げた銘柄の中でも女性、男性問わず使いやすく、ナチュラルに付けやすいのは、クルジャンの代表的なアクアシリーズの「アクアセレスティア」(オードトワレ)です。
クルジャンのアクアシリーズには正統派のアクアユニヴェルサリス、バニラやスパイシーさが加わったアクアヴィタエなどもありますが、中でもアクアセレスティアは爽やかさで清涼感もあり、知性を感じられる香りです。
最初の香り立ちはミントとライムの清涼感あるクールな香り。そこにベリーのブラックカラントも加わり、 甘酸っぱさが現れ、オレンジの花のネロリも混ざるのでひんやりとしながら、果実や花の甘さも感じられます。 次第にキリっとした鋭さが落ち着いてまろやかになって、ミモザやローズのフローラルが上品さと柔らかさを持って甘く、それでも静かに優しく香り出します。
ラストのムスクは如何にもムスクですと色気を決して激しく主張せず、穏やかに清潔感を持って、 知性の中の大人の魅力を演出していきます。 オフィスで仕事を誠実にこなす自立した知性的な大人というイメージにはもちろん、 部屋で少しクールダウンしたい時や、日常使いにもピッタリな作品です。
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2.ジョーマローン – ホワイト ジャスミン&ミント
Top:ミントリーフ
Heart:ホワイトジャスミン
Base:メイト リーフ
最初にご紹介したアクアセレスティアのハーバルシトラス調に対し、こちらの「ホワイト ジャスミン&ミント」はミントが効いたフローラル調の香りです。ほのかな女性らしさや、女性の持つ柔らかい印象を持たせたい時にピッタリな作品です。
清潔感があって、ひんやりとしたミントも効いて、フローラルの中でもホワイトジャスミンは優しいエレガントな甘さなので付けやすい印象です。ベースのメイトリーフが青く生い茂ったグリーンの爽やかさを添えます。
オフィスではもちろん活躍をしますが、ちょっとしたお出かけの時に気兼ねなく付けられたり、一人でじっと休みたい時に甘く優しいホワイトジャスミンに癒されたい時にも良いです。
お風呂上りにさらっと付ける一本としてもおススメです。ひんやりとした感覚があなたを柔らかく包み込みます。
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3.エラケイ – サガノの詩
【シトラス】ベルガモット、グレープフルーツ、ユズ
【フレッシュ】ミント、ユーカリ、抹茶、バンブー
続いてご紹介するのはエラケイの「サガノの詩」で、京都の嵯峨野にある竹林からインスパイアされた独特な和を表現したシトラスグリーンハーバル。
付けると特徴的な和の柚子がアールグレイを想起させるベルガモットが鮮烈に一陣の風のように香り出し、柔らかなグレープフルーツが陽が差すような印象を与える。
ミントやユーカリも爽やかな風が流れるように現れ、パウダリーな抹茶が際立ちだし、そして主題のバンブーが青々しく生い茂る竹林そのもののように苦さとほんの少しの不思議な甘みを持って香り続ける。
エラケイは調香師ソニア・コンスタンの世界を旅した記憶を世界観とする香水メゾンです。そのため、エラケイではトップノート、ミドルノート、ラストノートといった時間ごとの概念ではなく、調香師ソニア・コンスタンがこれまで世界中を旅してきた情景ごとに表現しています。
サガノの詩を身に着けて竹林の清涼感ある落ち着いた日本の香りは、オフィスの気を引き締めたい時はもちろん、周りに和やかな印象を与えたい時も、自分を落ち着けたい時にも良い香りです。夏祭りの浴衣姿にも合うでしょう。
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4.トムフォード – ネロリ・ポルトフィーノ
Top:ベルガモット、オレンジ(マンダリン)、レモン、ラベンダー、ローズマリー
Middle:オレンジブロッサム、ネロリ、ジャスミン
Last:アンバー、アンブレット、アンジェリカ
最後にオフィスにピッタリな作品としてご紹介するのは、イタリアのポルトフィーノからインスパイアされた、ネロリが主役の快活で爽やかなトムフォードのネロリ・ポルトフィーノ。
地中海の風を思わせるようなシトラスアロマティックな香調は、どこまでも気持ちが良く広がる青い空のようで、付けた人だけではなく、その場を明るく爽やかさな空気で包み込みます。
トップの柑橘系はオレンジ、レモン、そしてベルガモットは弾けるような快活な太陽の光を思わせ、アロマティックのラベンダーとローズマリーは穏やかさを与えるように調和します。
ミドルでは中心のネロリにオレンジブロッサム、ジャスミンと白い花々が加わり、華やかさも爽やかさとバランスよく登場。
ラストはアンバーをはじめとしたベースノートのしっとりとした奥行きが混ざりながらも、最後まで爽やかに清涼感あるよう残ります。
オンの時に前向きな気持ちで仕事に取り組みたい時や、職場で爽やかさを演出したい時はもちろん、暑い季節のお風呂上りに吹きかけるとすっきりもする、活躍の幅が広い香りです。
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プライベートで楽しめる香水後半4選
5.ペンハリガン – サボイ スチーム
Top:ユーカリ、ピンクペッパー、ローズマリー、ベルガモット、ミント
Middle:ローズ、ティー、カルダモン、ゼラニウム、ヘディオン
Last:ベンゾイン、バニラ、ムスク、インセンス
最初にオフの香水としてご紹介するのは、薔薇のスパをイメージして作られた、日常から少し離れたようなペンハリガンのサボイスチーム。香調としてはアロマティックローズ。
付けたてからまるで薔薇のスチームミストを吹きかけられたようで、そこにアロマも同時に寄り添う。
ペッパーのスパイシーさや意外なティーも主張つつも、根柢の薔薇とアロマティックな香料も香り続ける。
そして清潔感もあってパウダリーで、どこかその不思議さは非日常的で微睡んでいく。
是非、一人ゆったりとしたお風呂上りや寝る前の香水として吹きかけていただきたい香水です。
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6.キリアン – コローニュ シールド オブ プロテクション
ローズマリー、オレンジ(グリーンマンダリン)、シダーウッド
続いてご紹介するのは、夏にピッタリなフレッシュなシトラスグリーン調の爽やかさが魅力的なキリアンのコローニュシールドオブプロテクション。
決して単なるシトラスグリーンの香りではなありません。シトラスのグリーンマンダリンを主軸として、アロマティック系とウッディー系の異なるグリーン調と混ざり合い、異なる表情を見せながら複雑さも帯びた個性あふれる香りです。
はじまりから青みの強いグリーンマンダリンが主張し、ビターオレンジと柑橘系が広がり、ミントにローズマリーと清涼感あるアロマティックと溶けあうからか、はつらつとした柑橘ってイメージより、マリン系のような爽やかさが想起されます。プチグレンにネロリと少しずつ華やかさも帯びだして、最後はスパイシーなウッディー系のシダーウッドにシルキーなカシュメランとミステリアスさも垣間見せます。
香水はどちらかと言えば、イメージを演出して自分を打ち出して攻めていく「武器」のようなものです。
しかし、こちらは身を守る盾という名前の通り、私たちの心を安心感で包み込むことを表現した香りです。公の場では自立したきちんとした姿を求められて、あまり自分の心に寄り添うゆとりもないけれど、ふと一人きりになった時に、そっと付けてください。
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7.フレデリック マル – リス メディテラネ
Top:オレンジブロッサム
Middle:ジンジャーリリィ、シーブリーズ アコード(マリン)
Last:ムスク
3本目はむせ返るような甘い百合と潮風の香りのコントラストが美しい、夏にも付けやすい魅惑的なフローラルの百合が主役のフレデリックマル、リス・メディテラネをご紹介いたします。
百合の香水と言われると普段の強烈な香りと言うイメージから敬遠される方も多いのではないでしょうか。ですが、こちらは百合の魅惑的な甘さが気品よく届くように爽やかなシーブリーズアコードが運んでくれる夏にもピッタリな1本なのです。
最初からジンジャーリリーが咲き乱れ、でも段々ミドルではシーブリーズアコードの爽やかさが強くなるからか、地中海の百合といった感じでむしろ心地よく感じられ、ラストはムスクのパウダリーさと共に綺麗に肌へと馴染みます。
是非、気になる異性とのデートやお風呂上がりのリラックスタイムなどプライベートならではのひと時にお試しいただきたい1本です。
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8.フエギア1833 – チェンバー
Top(トニックノート):Fondo de Lago(湖の底)
Middle(ドミナントノート):Barba de Viejo(サルオガセモドキ)
Last(サブドミナントノート):Mate Leaf(マテの葉)
最後にご紹介するのは湖の底の硬質な香りをイメージした、ひんやりとしたどこか不思議な感じがする苔むしたようなグリーンノートのフェギア1833のチェンバーです。付けたてから青々しい植物の苦味と甘さが広がり、ひんやりとしているからか涼しさも感じられます。この香りを付けると落ち込んでいる時は鼓舞されて、気持ちがハイな時は落ち着かされる、そんな不思議な魅力を感じられます。
プライベートな社交の場ではもちろん、心を中心に戻したい時にいかがでしょうか。
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清原香子
香水を愛してやまない某IT企業Webライター。
大学の頃にラルチザンのヴォルール・ド・ローズに出会い
衝撃を受けて以来、香水愛好家となって10年以上を経る。
そのため、IT企業でのライター経験を活かし、
愛する香水のことを発信するライフワークも始める。
初恋はラルチザンのヴォルールドローズで
今の恋人はFueguia1833のChamber。